京都の税理士とその事務員(アルバイト)が、不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の罪などで京都府警に逮捕されたという報道がありました。
逮捕された税理士と事務員が以前に勤務していた税理士法人から、顧客情報等の”営業秘密”を勤務先事務所のパソコンからハードディスクにコピーして持ち出したそうです。
元の勤務先の税理士法人が調査して、その税理士と事務員が顧客データを取得した形跡が見つかったとのことです。
重要な情報に誰がアクセスしたかが分かるようにしておくのは大事ですね。
この税理士と事務員が逮捕された嫌疑の犯罪は、不正競争防止法21条1項3号ロ の犯罪と考えられます。
法定刑は10年以下の懲役もしくは2000万円以下の罰金または懲役と罰金の併科です。けっこう重い犯罪です。
(たとえば、刑法の窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金 です。)
不正競争防止法
(罰則)第21条
次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三 営業秘密を営業秘密保有者から示された者であって、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き、次のいずれかに掲げる方法でその営業秘密を領得した者
ロ 営業秘密記録媒体等の記載若しくは記録について、又は営業秘密が化体された物件について、その複製を作成すること。
営業秘密の問題とは離れますが、逮捕された税理士らは、不正競争防止法違反の他に、マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)違反の罪にも問われているところも興味深い事案です。